膜性診断とは?双子の一卵性二卵性より重要なの!?
こんにちは!一卵性女の子ツインの母、うおさおです。
今回は双子ママならご存知、膜性診断についてまとめます。
これから多胎児出産を控えている妊婦さんはぜひ参考にしてくださると嬉しいです。
一卵性 or 二卵性はよく聞くけど...膜性診断って何?
双子というと、「一卵性?二卵性?」という質問をよく聞くかと思います。実際我が家の双子に対してもよく聞かれますし、私自身双子を妊娠するまで双子と言えば一卵性か二卵性なのかと思っていました。
一般的によく言われる一卵性・二卵性は「卵性診断」と言われる分類になり、受精卵の数が1つか二つかという違いです。
一卵性は100%同じ遺伝子情報を受け継ぎ、二卵性は約50%同じ遺伝子情報を受け継ぎます。なので一般的に一卵性はそっくり、二卵性は似てるけどそっくりではない、というような双子の印象になっているようです。
しかし双子の妊娠が発覚し、病院の先生からまず説明されたのは「あなたのお腹の中の双子はMD双胎です」という説明でした。
え、MDそうたい...?????
当然うおさお、知りませんでした。
その場で先生から詳しい説明をしていただきましたが、その際に一卵性・二卵性という言葉はほぼ出てきませんでした。出産までの間は「卵性診断」より「膜性診断」の方が重要だということを初めて知ることになりました。
膜性診断とは、胎盤の数と羊膜の数によって分類する方法です。
卵の数だけじゃなくて、胎盤や羊膜の数も双子によって違うの???
そう、違います!まずは胎盤の数で分類し、胎盤が一つだった場合はさらに羊膜の数で分類します。これが膜性診断です。
胎盤の数が一つ→DD双胎
胎盤の数が二つ→羊膜が二つ→MD双胎
胎盤の数が二つ→羊膜も一つ→MM双胎
そもそも多胎妊娠は全てハイリスクな妊娠・出産になりますが、妊娠早期にこの膜性診断をすることでリスクをさらに細分化できます。リスクを把握することにより、膜性ごとに適切な妊娠管理をすることができるのです。
また、早期にこの膜性診断をしないと妊娠が進むにつれ胎嚢同士や羊膜同士が癒着することで診断が難しくなってしまうそうで、私も双子ということが発覚した2回目の検診の場ですぐに先生からMD双胎ということと膜性診断やリスクの説明をしていただきました。
ちなみに三つ子(品胎)も同様に膜性診断を行うそうです。
DD双胎【二絨毛膜二羊膜双胎】
胎盤(=赤ちゃんの栄養源)が二つ(一人に一つずつ)あり、羊膜(=赤ちゃんの部屋)も二つ(一人に一つずつ)ある双胎。双子のうち約6割がこの双胎になります。
DD双胎は二卵性が多いですが、一卵性も一定数います。一卵性双生児の中の約25%はDD双胎です。よく「二卵性なのにそっくり」という双子がいますが、おそらくDD双胎だから二卵性ということになっているけれど実は一卵性、というパターンが多いのではないでしょうか。
後述するTTTSのリスクはありませんが、一般的な双胎妊娠のリスクである切迫早産、子宮内胎児発育不全、妊娠高血圧症候群等になりやすいというのは当然あります。
MD双胎【一絨毛膜二羊膜双胎】
胎盤(=赤ちゃんの栄養源)一つを二人で共有し、羊膜(=赤ちゃんの部屋)は二つ(一人に一つずつ)ある双胎。双子のうち約4割がこの双胎になります。
一絨毛膜の双子は全て一卵性です。ただし一卵性双生児のうちの約75%がMD双胎にあたるので、一卵性だからと言って全てMD双胎という訳ではありません。
怖がらせたい訳ではありませんが、周産期死亡率はDD双胎の3〜4倍になります。それだけ胎盤を共有しているということはリスクになるようです。
一般的な双胎妊娠のリスクに加え、MD双胎のリスクとして一番心配されるのが双胎間輸血症候群(TTTS)です。
これはMD双胎のうち5〜10%に発症すると言われています。二人で一つの胎盤を共有するため、血流がアンバランスになってしまうことにより、片方の赤ちゃんには血液の供給が少なく、もう片方には逆に供給過多になってしまいます。これは少ない方だけが危ないという訳ではなく、どちらの赤ちゃんにもかなりの負担になります。しかしほとんどの場合はレーザー治療で出産まで問題なく妊娠を継続できるそうです。
MM双胎【一絨毛膜一羊膜双胎】
胎盤(=赤ちゃんの栄養源)一つを二人で共有し、羊膜(=赤ちゃんの部屋)も一つで同じ部屋にいる双胎。双子の中でもたった1%以下しかいない双胎です。
MM双胎も全て一卵性です。
リスクはMD双胎と同様にTTTSはもちろんのこと、臍帯相互巻絡(さいたいそうごかんらく)と言って同じ部屋にいるために2本あるへその緒が絡まってしまうリスクも挙げられ、一番リスクの高い双胎となります。
非常に珍しいため、うおさおもMM双胎の双子ちゃんは1組しかお会いしたことがありません。
うおさおはMD双胎を出産しました
うおさおのお腹にやってきたのはMD双胎の赤ちゃんでした。
妊娠中、MD双胎のことを調べれば調べるほどそのリスクの高さに不安になりました。この記事にたどり着いてくださった双子妊娠中の妊婦さんがいらっしゃったら、まさにそんな時期なのではないでしょうか。
しかし私の場合、心配していたTTTSの症状は特にでず、若干妊娠糖尿病になりかけましたが数値ギリギリでなんとか出産までもち、無事自然分娩で出産することができました。膜性診断をしてもらうことで適切な妊娠管理をしていただけたのだと思います。本当にありがたいことです。
同時期たまたま知り合いの奥様がDD双胎を妊娠なさっていて、これまたたまたま同じ病院に通っていたのですが(たまたまと言いつつも双胎出産に対応してくれる病院は基本大きいところのみなので選択肢はあまりありません笑)、その方は25週くらいから出産まで切迫早産でずっと管理入院をされていました。双子妊娠ではよく聞く話です。ずっと点滴をされていて、会うたび痛くて辛いとおっしゃっていました。(苦労の甲斐あって、私の1週間後に帝王切開で元気なミックスツインズを出産されました!)
管理入院をせずに済んだうおさおは本当にラッキーでしたし、ずっとお腹の中でも仲良く元気でいてくれた双子には本当に感謝しています。
ちなみに、MD双胎なので自動的に一卵性双生児ということがわかっており、そっくりな双子が出てくるとばかり思っていました。
見分けがつかなかったらどうしよう〜
しかし出産して顔を見てみると余裕で見分け、つきました。笑
1歳半の我が家のツインズはMD双胎で似てはいますがそっくりではありません。いまだに体重差も800gくらいは開いたままです。双子って不思議ですね。
この記事を書くにあたってこちらの資料を参考にさせていただきました。
http://www.congre.co.jp/jsog2019/dl/program/senkou_2_1.pdf
後半はかなり専門的な内容になっていますが、前半は素人の私レベルでもとても勉強になる内容でした。私も妊娠中に読んでおきたかったです!
当然リスクの高い多胎妊娠ですが、必要以上に怖がることなく、でもリスクはきちんと理解した上で専門の先生方のお力を借りし、1組でも多くの多胎児ちゃんたちが元気に生まれてきてくれることを祈っています。